日本の交通機関(航空機・タクシー・バス・フェリー編)

航空機

飛行機の国際線と国内線についての基本情報を少々。

国際線による空の旅

日本への国際線による空の旅の主な玄関は、成田国際空港(東京)、関西国際空港(大阪)、中部国際空港(名古屋)の3つになっています。中部国際空港(通称セントレアとも呼ばれます)は、愛知万博の開催に伴って以前の名古屋空港を拡張し、2005年2月から新しい設備やサービスの提供を始めました。これらの3つの主要空港の他にも、東京の羽田国際空港や大阪の大阪国際空港(伊丹空港)をはじめ26の空港で、アジア各国やグアム、ハワイ、オーストラリアなどと日本を結ぶ、一部の国際線の発着が行われています。

国内線による空の旅

航空会社間での激しい価格競争の影響で、この十数年程で国内線の航空運賃もずいぶん安くなってきました。これによって、こんにち国内線での空の旅は、600キロ以上移動する場合に限れば、国内の大都市間を結ぶ最も便利な手段になったと言えるでしょう。

600キロ以上というのは、空港と市街地を結ぶ他の交通機関との連絡や、乗り換えにかかる時間を計算に入れると、たいてい新幹線の方が速くなってしまうからです。けれども、飛行機の国内線を使えば新幹線の走っていない地域への移動時間を短縮することができますし、場合によっては航空会社の提供する割り引きプラン等を活用する事で、交通費を押さえることだって可能です。

日本では、大きく分けて2つのグループJALグループとANAグループが、国内の航空旅客サービスを提供しています。それぞれが数社の航空会社から成っていて、日本各地にある50以上もの空港の間を行き来しています。また、スカイマークエアラインやエアドゥのように、この2つのグループのどちらにも属していない、独立した航空会社もあります。

長所は、600キロ以上の長距離や新幹線が通っていない地域への移動に限れば、移動にかかる時間が短くて済む点、各航空会社の割り引きプランなどを活用すれば、比較的安い料金で移動できる点です。

短所は、600キロ未満の距離の移動では、連絡している他の交通機関への乗り換えに時間やお金がかかり過ぎて(空港が市街地から離れているため)、他の長距離移動向きの交通機関の方が、結果的に早かったり安かったりしてしまう点です。

タクシー

タクシー

タクシーは日本での移動手段として、あまり賢い選択肢とは言えません。なぜなら、電車やバスといった他の交通機関に比べて、ほとんどの場合タクシーの料金の方が高くなってしまうからです。

京都などの観光地では、その土地に詳しい運転手さんがタクシーで観光スポットを案内してくれる、「観光タクシー」と呼ばれる物があるそうですが、町中を走る普通のタクシーを利用する場合、コストパフォーマンスを考えると、あまりお薦めはできないような気がします。駅と駅の間のごく短い距離を移動する時や、荷物が多い時、あるいは初めて訪れる場所で、その辺りの土地勘がない(とは言っても、最近は道を知らない運転手さんも多いようですが...)場合など、ある程度限られた場面での利用に留めた方が良いかもしれません。また、タクシーに乗る時は2人以上で乗る、というのも1つの案です。同乗した人数で料金を割り勘にすれば、交通費を安く押さえる事も可能になります。

ちなみに、日本ではその他にも最終電車に乗り遅れてしまった時に、家まで帰り着く手段としてタクシーを利用する、という話をよく耳にしますが、深夜料金などが加算されたりすると、やっぱり割高になる事は否定できません。

長所は、駅と駅の間のごく短い距離での移動や、大きな荷物がある時や荷物が多い時、初めて訪れる場所で土地勘がない場合には、重宝する点です。また、他の乗り物に比べて運転している人と乗客との距離が近いため、より直接的なサービスを受ける事ができます(運転手さんの接客態度にサービスの質の善し悪しが集約される、という事ですな)。

短所は、他の乗り物に比べて運転している人と乗客との距離が近く、より直接的なサービスを提供するため、時として(いや、ほとんどと言うべきかも)接客態度の悪い運転手さんに当たってしまうと、ひどく嫌な気分になる点と、そういう現状も含めて提供しているサービスの費用対効果(コストパフォーマンス)が悪い点です。

バス

日本には移動する距離に応じて2種類のバスが走っています。それが路線バスと高速バスです。

路線バス

都バス

路線バスは町や都市の中を走っていて、電車に次ぐ交通機関として知られています。電車があまり通っていないような所では、バスが主要な交通機関となっている所もあるようです。けれども、料金の計算方法などが運営しているバス会社によって違ったり、目的地やその他の表示が、全て日本語で書かれていたりするため、初めて日本に来る外国の観光客の方にとっては、あまり良い選択肢ではないかもしれません。さしずめ、日本ビギナーよりは上級者向き、といったところでしょうか。

長所は、鉄道の通っていない地域や鉄道の駅間の短い距離の移動に向いている点です。

短所は、料金の計算方法やバスの乗り降りの仕方が、運営する会社によって異なっていて分かりにくい点、目的地などの表示や車内のアナウンスも全て日本語なため、日本語の分からない外国人にとっては使いづらい点です。

高速バス

都市間を結ぶ長い距離を走ります。たくさんのバス会社が長距離の夜行バスの運行をしていて、このようなバスを活用すれば一泊分の宿泊費を浮かす事もできます。夜の間に移動を済ませてしまえば、翌日の時間はたっぷりと他のことに費やす事ができるようになる、という意味ではとても便利なのではないでしょうか。

目的地によっては、長い時間バスに乗ったままという事になりますが、全てのバスにエアコンやトイレが完備されていますし、飲み物や食べ物を持ち込む事も可能です。さらに、列車や飛行機に比べて料金がとてもお得なのも魅力的です。

長所は、ほとんどが夜の間の移動になるため、日中移動に時間を割かれなくて済む上に、1泊分の宿泊料金を浮かせる事ができる点、列車や飛行機などの移動に比べて料金が比較的安い点です。

短所は、長時間(最低でも7、8時間)はバスに乗りっぱなしになる点、1泊分の宿泊料金を浮かせる事ができるとは言え、一般的な宿に泊るのに比べたら、快適度では劣る(お風呂もないですし...)点です。

フェリー

日本は島国なので(主要四島とその他の小さな島々で構成されています)、フェリーは島と島とを結ぶ有用な交通手段となって来ました。今では主要四島である北海道、本州、四国、九州は、橋やトンネルで結ばれていて、陸路での移動も可能になりましたし、日本全国に50以上もの空港が整備され、航空運賃も下がった事によって飛行機での移動も盛んになり、移動に船を使う機会はずいぶんと減ってしまいました。

しかしながら、空港のないもっと小さな島々に行くためには、現在でも船が主な交通手段になっています。また、こうした島々では、船が生活に欠かせない重要な交通手段となっている所もあります。

一般にフェリーと言うと、乗客と自動車のような乗り物や貨物を一緒に運ぶ船の事を言いますが、フェリーの規模は様々で、大きな物になると数百人の乗客を収容できる、大浴場やレストランなどの大掛かりな設備を備えた物もあるようです。

長所は、鉄道や飛行機、高速バスなどでは行く事ができない島々に渡る事ができる点や、他の交通機関では味わえない、ゆったりとした海の旅を楽しむ事ができる点です。

短所は、発着地点(港)が他の交通機関に比べて少なく不便である点、また他の交通手段に比べて時間がかかる割に、料金はさほど変わらない点です。